おもに少年マンガジャンルにおける「ヒーロー」の類型と変遷を、80年代の新たなヒーロー像まで含めて説明してください。

80年代までの少年マンガジャンルにおける「ヒーロー」の類型と変遷は以下のように説明できます。

1. 昭和初期から中期：力強い正義の象徴 昭和初期から中期の少年マンガジャンルでは、ヒーローは力強く正義感に溢れる存在として描かれていました。代表的な作品としては、手塚治虫の『鉄腕アトム』や藤子不二雄の『忍者ハットリくん』などがあります。ヒーローはしばしば人間ではなく、ロボットや忍者などの特殊な存在として描かれました。

2. 昭和後期：成長と友情を描く 昭和後期に入ると、ヒーローのキャラクター性がより深化し、主人公の成長や友情も描かれるようになりました。代表的な作品としては、車田正美の『聖闘士星矢』や藤本栄一の『キャプテン翼』があります。ヒーローは困難や敵との戦いを通じて成長し、仲間との絆を築いていく姿勢が描かれました。

3. 1990年代：闘争心と内面の葛藤 1990年代に入ると、ヒーローのキャラクター性が一層複雑化しました。代表的な作品としては、車田正美の『幽☆遊☆白書』や冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』があります。ヒーローは闘争心や内面の葛藤を抱えながらも、自身の力や信念を持ち、敵との戦いに挑んでいきます。

4. 2000年代以降：多様なヒーロー像 2000年代以降の少年マンガジャンルでは、ヒーローの類型が多様化しました。代表的な作品としては、尾田栄一郎の『ONE PIECE』や岸本斉史の『NARUTO -ナルト-』などがあります。ヒーローは個性的な能力やバックストーリーを持ち、友情や仲間との絆を重視しながら、自身の目標に向かって成長していく姿が描かれます。

以上が80年代までの少年マンガジャンルにおける「ヒーロー」の類型と変遷です。ヒーローのイメージは時代の変化や読者の嗜好によって変わっていきましたが、力強さから成長や友情、さらには内面の葛藤や多様性へと展開していきました